イメージとかけ離れた介護業界

介護職は新卒以外にも中途採用が多く、他の仕事からの転職組も他の業種と比べると多い傾向があります。その一方で離職率も高く、結果として人手不足は解消されていないのが現状です。働く人が多いのに辞める人も多いのは介護職に対する理想と現実のギャップが大きいのが理由です。介護職は要介護の高齢者をサポートするのが主な仕事です。テレビCMなどの広告媒体では施設職員と高齢者が微笑みながら、朗らかな雰囲気の中で佇むイメージが多用されています。そのような宣伝用のイメージを理想の職場と思った人が介護職に就き、施設での仕事に従事して初めて理想と現実とのギャップを理解する形となってしまいます。理想が高い分、現実の介護職に忌避感を覚え、その結果として離職に至ってしまうのがありがちな経緯です。

介護職でありがちな問題としては介助作業の過酷さが挙げられます。知識として知っていても実際に行うのは全く別の話です。相手が高齢者でも体を支えるのは非常に過酷な作業になります。特に入浴の介助は滑りやすいので心身の緊張は半端なものではありません。そのため、介護職に就いている人の多くは肩や腰の痛みに悩まされているのが現状です。

また、汚物処理も介護職の重要な仕事ですが、他人の吐しゃ物や排せつ物を間近で見て触る行為を受け入れるのは非常に困難です。汚物処理ができなくて辞めてしまうのも介護職ではありがちなことです。介護職の過酷な現状を伝えるのは理想と現実のギャップ解消に役立つ反面、求職者が減ってしまう問題もあります。